
福岡の不動産価格はまだ上がっている。でも「売れない物件」が増えている理由!!
映画のエンドロールを我慢して何もなかった時、いつも最後まで見てますよ。
みたいな顔して帰る渡邉です。

今日は少し真面目な話をしますね。
福岡の不動産価格はまだ上がっている。でも「売れない物件」が増えている理由!!
「福岡の不動産価格はまだ上がっていますか?」
不動産の購入や売却を検討されている方から、最近よく聞かれる質問です。
結論から言えば、福岡市の不動産価格は、全体としてはまだ高い水準にあり、地価も上昇しています。
しかし、不動産の現場ではもう一つの変化が起きています。
それは、
「価格は上がっているのに、なかなか売れない物件も増えている」という現象です。
一見すると矛盾しているように見えますが、実はここに現在の福岡不動産市場を理解する重要なポイントがあります。
福岡市の地価は、今も上昇している。
福岡市が公表した2026年度の地価調査では、福岡市の住宅地は前年比5.5%上昇、商業地は8.1%上昇、工業地は9.5%上昇しました。
住宅地だけを見ても、福岡市の土地価格は依然として上昇基調にあります。
福岡市は人口増加や再開発、地下鉄沿線の利便性向上などを背景に、全国的に見ても不動産需要の強い都市の一つです。
そのため、
「福岡の不動産はまだ上がっている」という認識自体は間違いではありません。
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。
「地価が上昇していること」と「今売り出せば高値ですぐ売れること」は、まったく別の話です!
中古マンションでは「価格上昇」と「成約減少」が同時に起きている
現在の市場を象徴しているのが、中古マンションです。
2026年夏の福岡県の中古マンション市場では、平均成約価格や㎡単価が前年より高い水準を維持する一方、成約件数には前年割れの動きが見られています。
西日本レインズのデータを基にした2026年7月の集計では、福岡県の中古マンションの平均成約価格は約3,001万円で前年同月比10.9%上昇、㎡単価も11.5%上昇しました。
ところが、成約件数は前年同月比4.6%減少しています。
別集計の8月データでも、福岡県の中古マンション成約価格は前年同月比11.4%上昇する一方、成約件数は11.6%減少しています。
つまり、
「高い価格で売れている物件はある。しかし、売買そのものは以前ほど簡単ではない」
という市場になりつつあるのです。
ここは非常に重要です。
福岡市の中古マンション、半数以上が途中で値下げ、さらに興味深いデータがあります。
民間会社Base-upが福岡市内の主要不動産ポータルの掲載情報を横断して集計した2026年9月のデータでは、福岡市で売出中の中古マンションは3,858件。
売出価格の中央値は3,100万円です。
そして、一定期間以上観測された売出物件のうち、販売中に3%以上価格を下げた「値下げ経験率」は53%。値下げ幅の中央値は5.5%でした。
もちろん、これは公的統計ではなく民間会社によるポータル掲載情報の独自集計です。また、値下げしたから必ず成約したという意味でもありません。
それでも、
「福岡だから強気の価格を付けても、そのうち売れる」
という市場ではなくなってきていることを考えるうえで、興味深い数字です。
なぜ「価格は上がっているのに売れない」のか?
理由の一つとして考えられるのが、売主と買主の価格感覚のズレです。
ここ数年、福岡の不動産価格は大きく上昇しました。
例えば、
「同じマンションの上の階が4,000万円で売れた」、「近所のマンションが5,000万円で売りに出ている」、「数年前より土地がかなり上がった」
こうした情報を見れば、売主が高く売りたいと考えるのは当然です。
しかし、買主側には「購入できる上限」があります。
そして、その上限に大きな影響を与えているのが住宅ローン金利です。
福岡銀行では2026年4月、変動金利型住宅ローンの基準金利を3.475%から3.725%へ0.25ポイント引き上げました。2026年9月時点でも変動型の基準金利は3.725%となっています。実際の適用金利は審査や優遇条件等によって異なります。
住宅価格が上がり、さらに住宅ローン金利も上がれば、当然ながら買主の毎月の負担は増えます。
例えば4,000万円を35年間借りる場合、仮に金利が0.8%なら毎月返済は約10.9万円ですが、1.5%なら約12.2万円です。
同じ4,000万円の住宅でも、金利だけで毎月約1.3万円の差になります。
つまり現在は、
売主:「福岡はまだ上がっているから高く売りたい」
買主:「欲しいけれど、月々の支払いを考えるとそこまでは出せない」
という価格ギャップが生まれやすくなっています。
これからは「福岡市」ではなく「物件ごと」に差がつく
今後さらに重要になるのが、物件の選別です。
これまでは福岡市全体の不動産価格が上昇してきたため、多少条件が悪い物件でも周辺相場の上昇に引っ張られて価格が上がるケースがありました。
しかし、市場が成熟してくると、
駅から近い
管理状態が良い
適正な管理費・修繕積立金
駐車場が確保できる
間取りが使いやすい
築年数に対して価格が適正
同じエリアの競合物件より魅力がある
こうした物件は比較的売れやすい一方、条件に対して価格が高すぎる物件は、問い合わせや内覧が少なくなります。
結果として、
「福岡市の不動産価格」という一つの相場では説明できない市場
になってきています。
売主が一番注意したいのは「高すぎる査定価格」
この市場で売主の方に特に注意していただきたいのが、不動産会社の査定価格です。
例えば3社に査定を依頼して、
A社 3,800万円
B社 4,000万円
C社 4,500万円
と言われた場合、当然4,500万円と言われた会社にお願いしたくなります。
しかし、
査定価格=売れる価格ではありません!!
不動産会社が高い査定価格を提示したからといって、その金額で買ってくれるお客様が存在するとは限らないからです。
4,500万円で売り出して反響がなく、
4,380万円
↓
4,180万円
↓
3,980万円
と何度も価格変更すると、ポータルサイトを継続して見ている購入希望者からは、
「ずっと売れていない物件」
という印象を持たれることもあります。
結果的に、最初から適正価格で販売した場合より売却期間が長くなる可能性があります。
「高く売り出す」より「高く成約する」が重要
売却で本当に重要なのは、売出価格ではありません。
最終的にいくらで成約したのか。
はい、ここです。
5,000万円で売り出して4,300万円で売れた物件と、4,500万円で売り出して4,450万円で売れた物件。
売主にとって重要なのは「5,000万円で売り出した」という実績ではなく、手元にいくら残ったかです。
だからこそ、これからの福岡の不動産売却では、
「とりあえず高く出しましょう」ではなく、競合物件・過去の成約価格・現在の買主の予算・問い合わせ状況を見ながら販売戦略を組むこと
が以前より重要になります。
では、福岡の不動産価格はこれから下がるのか?
ここも慎重に考える必要があります。
今回のデータだけで、「福岡の不動産価格はこれから下落する」と判断することはできません。
実際、2026年度の福岡市の住宅地は前年比5.5%上昇しており、中古マンションの成約価格も高い水準にあります。
一方で、成約件数の減少や値下げ物件の存在、住宅ローン金利の上昇など、これまでとは違う変化も出ています。

したがって、現在の福岡市場を一言で表現するなら、
「上昇相場が終わった」のではなく、「何でも上がる相場から、選ばれる物件と選ばれない物件が分かれる相場へ変わってきた!」
と考えるのが近いでしょう。
いやぁ、今までは正直全体的に見ても安かったので、全体的にあがっていたのは確かです。
ネットにあげれば売れていました。
ただ、これからは販売戦略が最も重要になってきます!

売却を考えている方に、今確認してほしいことこれから不動産を売却する場合、単純に「今いくらで売れるか」だけを聞くのではなく、
①近隣で現在何件売りに出ているのか
②実際にいくらで成約しているのか
③競合物件は何日間売れていないのか
④途中でどの程度値下げしているのか
⑤自分の物件が競合より優れている点・劣っている点は何か
ここまで確認することをおすすめします。
特に注意したいのは、SUUMOなどに掲載されている価格は基本的に「売主が希望している価格」であり、実際に売れた価格ではないという点です。
4,500万円で掲載されている物件を見て、
「うちも4,500万円で売れる」
と考えるのは危険です!
その物件が4,500万円で売れていないから、現在も掲載されている可能性もあるからです。
不動産価格が上昇している時期ほど、売出価格と成約価格を分けて考える必要があります。
まとめ|福岡は「高い=売れる」市場ではなくなってきた
福岡市の不動産市場は、今も決して弱い市場ではありません。
地価は上昇していますし、条件の良い中古マンションには依然として強い需要があります。
ただし、
「福岡だから高く出しても売れる」という考え方は、少しずつ通用しにくくなっています。
これから重要になるのは、
「福岡の相場が上がっているか」ではなく、「自分の物件が現在の市場でどう評価されるのか」
を見ることです。
価格が上昇している今だからこそ、売主側にも冷静な市場分析が必要になっています。
不動産売却では、「一番高い査定価格を出した会社」を選ぶのではなく、なぜその価格で売れるのかを、成約事例と現在の競合物件を使って説明できる会社を選ぶこと。
これが、今の福岡で不動産を売却するうえで非常に重要なポイントだと考えています。
※本記事は2026年9月20日時点の公表資料・市場データをもとに作成しています。地価調査は土地の標準的な価格動向を示すものであり、中古マンションの個別成約価格とは異なります。また、ポータル掲載物件の値下げ率等は民間事業者による独自集計を含みます。
ではまた。

