今回は、マンション資産価値に影響する要素についてお話していきたいと思います。
1,立地
立地はマンションの資産価値に大きく影響してきます。
一言に立地と言っても幾つかの項目がありますので、項目ごとに見ていきましょう。
エリアの需要
人気のエリアに建っているマンションは、常に高い需要があるため、資産価値が落ちにくい傾向にあります。たとえば、都心部や再開発が進むエリアは人気が高く、資産価値が上がりやすいです。
一方、人口減少が進む地域では需要が低下し、資産価値も下がる傾向にあります。
チェックポイントとしては、エリアの将来性や人口動向、再開発計画の有無を確認することが重要です。自治体の発表する再開発計画や人口統計データを参考に出来ます。
福岡で言うと、やはり中央区が比較的資産価値が高いエリアです。他にも、博多、千早、香椎、西新、藤崎、高宮、大橋も資産価値が高い傾向にあります。
交通の利便性
駅やバス停からの距離、利用可能な路線数、主要駅までの所要時間といった交通の利便性も重要な要素です。
最寄り駅から徒歩10分以内のマンションは資産価値が高いとされています。特に、複数の路線が利用可能な駅や、急行・特急が停車する駅に近いマンションは、より資産価値が高くなる傾向にあります。
反対に、最寄り駅まで徒歩20分以上かかるマンションや、バスでしかアクセスできないマンションは、資産価値が低くなる傾向があります。
交通の利便性をチェックする際は、駅からの距離だけでなく、主要駅や都心部へのアクセス時間、通勤・通学のしやすさなども考慮することが大切です。
周辺施設
コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストア、病院、銀行、郵便局などの生活利便施設が徒歩圏内にあることが望ましいです。また、子育て世帯にとっては、保育園や幼稚園、学校の近さも大切なポイントです。
逆に、周辺に騒音や悪臭を発生させる施設がある場合や、治安の悪い地域では、マンションの資産価値が低下する可能性があります。
周辺施設をチェックする際は、施設の有無だけでなく、その質や利用のしやすさも考慮することが大切です。また、将来的な開発計画も確認しておくとよいでしょう。
2,建物
管理状況
適切にメンテナンスされているマンションは、築年数が経っても比較的高い資産価値を保ちやすいです。
一方、管理が不十分なマンションは建物の劣化が進み、資産価値が低下しやすくなります。特に大規模修繕がおこなわれていないマンションは、今後の修繕費用が大きくかかる可能性もあるでしょう。
ブランドマンション等は管理もしっかりしていることが多く、資産価値は下がりにくいといえます。
管理状況をチェックする際は、過去の修繕履歴や今後の修繕計画のほか、修繕積立金が適切に積み立てられているかどうかを確認することも重要です。これらはマンションの管理規約や議事録などで確認できます。
共用施設やサービス
共用施設やサービスが充実していると、マンションの魅力や需要が高まり、資産価値の維持・向上につながります。
特に、24時間可能なゴミ捨て場や宅配ボックスなどの実用的な施設は、多くの入居者に支持されています。そのほか、キッズルームや図書室、フィットネスジム、ラウンジ、コンシェルジュサービスなども人気です。
ただし、過剰な施設があると管理費が高くなります。利用頻度とコストのバランスを考慮しましょう。
眺望・陽当たり
眺望や陽当たりは、居住者の生活の質に関わるだけでなく、売却や賃貸をする際の物件の魅力にも影響します。たとえば、公園・河川・海などの自然景観や都市景観などが見える物件は高い評価を得やすいです。
一方、隣接する建物が近く陽当たりが悪い部屋や、視界が遮られる部屋は、資産価値が低下する可能性があります。周辺にビルなどが建つと景観が変わるため、近隣に開発計画がないか情報収集することも大切です。
また、南向きの部屋は、日中の自然光を多く取り入れられるため、人気が高くなっています。
しかし、立地との兼ね合いもあるので立地と眺望・陽当たりどちらも確保できている物件というのは意外と少なかったりするので、不動産の購入となると、どちらを重視するか決めておいても良いかと思います。
広さ・専有面積
マンションの資産価値を決定する重要な要素の一つが、広さや専有面積です。
一般的に、専有面積が広いほど資産価値は高くなる傾向にあります。ただし、広すぎる部屋は需要が限られるため、売却時に希望通りの価格で売れない場合もあります。家族構成やライフスタイルに合った広さかどうかを確認することが大切です。
階数
マンションの階数は資産価値に影響し、一般的に、高層階ほど価値が高くなる傾向にあります。眺望や陽当たりの良さ、プライバシーの確保のしやすさなどが、その要因です。さらに最上階は、上階からの騒音がないことも大きなポイントです。
一方、低層階や中層階は、災害時の避難がしやすい、地震の際の揺れが上階よりも緩やかなどの利点がありますが、資産価値は高層階より低くなる傾向があります。ただし、エレベーターがないマンションについては、逆に1階の方が高くなるケースが多いです。また、1階の場合、専用庭付きであったり、専用駐車場が付いているなどのお部屋の人気が高まることもあります。それぞれの特徴を確認し、総合的に判断することが大切です。
築年数
一般的に、築年数が浅いほどマンションの資産価値は高くなります。築浅のマンションが高値で取引されるのは、最新の設備を備えており、建物の劣化も少ないことが理由です。
年数が経過するとともに、老朽化が進み資産価値は低下しますが、築年数を経るごとに価格の下落率は緩やかになっていきます。築が古くなると、築年数よりも他の要素が価格に及ぼす影響が大きくなるのが一般的です。